[行程]
6:00 かもしか駐車場集合
6:30 リフト
6:45 ゲレンデハイク開始
9:45 男岳ピーク 1623
休憩
11:00 4番シュート滑降(参照)~ムーミン谷1410(標高差200)
11:30 女岳トラバース
12:20 女岳お釜
12:50 女岳滑走
14:00 西側外輪 1138
15:00 水沢トラバース地点 1310~1274までトラバース
16:50 田沢湖スキー場 駐車場
今シーズン初の秋田駒ケ岳です。3連休初日の山行予定が悪天候のため一日シフト。朝は青空が広がるものの山頂部はガスがかかって秋田駒ケ岳らしい天気。予報では午後から雨模様。朝6時のスキー場リフトを乗り、午後の早い時間には帰ってきたいと思いスタートしたものの、予想以上の時間オーバー。下山は結局17時近くになってしまいましたが、天気もなんとかもってくれたので、目一杯楽しめた山行でした。スキー場から登ってスキー場に降りてくるルートとしては一番楽しめるルートじゃないでしょうか。
●かもしか駐車場集合
先週から営業中の早朝リフト。まだ一本分でしたが有り難く使わせてもらう。そこからゲレンデハイク。普段滑っているゲレンデも登るとなるとそれなりの急斜。今回初本格的BCのたかこがここですでに遅れ気味。それでも一時間ちょっとでゲレンデトップへ。そして大の字に倒れる・・・・。大丈夫か(笑)
3月の最終週からは早朝ここまでリフトでこれるようになる。ここからが本格的なハイクです。雪は結構締ってる。状況によっては、まだラッセルかな?なんて思ってたんですけど、クラストぎみの斜面
はスノーシューの食い付きもいい。
今回友人からレンタルしてきたMSRのスノーシュー。はじめてスノーシューでのハイクアップですが軽いし斜面
への食い付きもいいし素晴らしいですね。シール&スキーでの登行も道具の簡素化としてはいいですけど、ここのように直登メインの山行はスノーシューが威力を発揮しますね。歩いてみた感じはシールの要領とほぼ同じ。足元が軽い分すこぶる快適ですね。
●稜線ハイク~男岳ピーク 1623m地点
スキー場からのハイクアップは上部に行くにしたがって細くなり状態はアイシー。アイゼンが必須になります。斜面
が厳しくなる手前でスノーシューからアイゼンへ履き替えます。この辺りからガスの中へ突入。時折風が強く吹き付けほぼホワイトアウトの状態。15mくらいの視界の中ハイクアップして行きました。
ホワイトアウトと言ってもここの細尾根は男岳ピークまで一直線なので問題無し。と言いたい所なのですが気になるあの子たかこですが、遅れ気味。みんなで声をかけて登ってくるも、やはり遅れる。そのうち先頭のおいらとかずさんタイチ君の3人が後ろのたかこと一緒のはこちゃんとたまの3人とはなれてしまった。無線で状況確認しながら僕たち3人は先に男岳ピークへ。今年のピークは昨年見えた鳥居もすっかり雪の中。樹氷状態になっていた。
●馬の背上部
男岳ピークから北へ少し行き風の当たらないエスケープポイントで後ろの3人を待つ事にした。
待つ事40分。3人が到着。ここまでくれば後は滑って少し登って滑っての繰り返し。とはいうものの周りは全く何も見えない状態。各自エネルギー補給して休憩した後、少し下ってノール部分で積雪観察&コンプレッションテスト。40cmくらいの所に氷板情の層、その上5cmくらいの所に弱層。3ケ所程でやってみるが全て同じ。弱層はコンプレッションテストで肘5回ほどのもの。その上の層は安定。上からツボ足で圧力をかけても弱層からはなかなかずれない。まあ大丈夫でしょう!という見解。(アバウトだな(^_^;)雪の状態はまあいいとして視界が悪過ぎ。周りは森林限界を通
り越した場所の為、目標物がない。斜度は40度ほど。滑った事があるのはおいらとはこちゃん。そんなわけでドロップ順は、おいら>たかこ>かずさん>タイチ君>たま>はこちゃん。おいらは昨年滑ったがその時はアルペン。しかも天気がよかった。今日はテレ、そして20mも見えない視界。。。。めっちゃ緊張。心臓バクバクデス。。。。
●4番シュートへドロップ
天気がよければこの斜度もイケナイ脳汁全開でドロップするのだが、ホワイトアウトのシュート。ビビリながらもスキーを谷へ向けていざドロップ。1ターン、2ターン。。。。。自分がどの方向にいるのかどこに向いてるのか、真っ白な何もない風景が三半規管を麻痺させる。少し横にスキーを振ると40度強の斜面
からスラフが落ちてくる。最初の滑走は斜面にもトレースがない為ホントに何もわからない。ふと気がつくと前方にでかい岩。あ~~とりあえずここまで降りてきたか。そんなときはこちゃんから心配して無線が入る。
はこ「大丈夫?どんな状況?」
るーつ 「ごめん手こずってる。もう少しでボトムだと思うから待ってね!」
自分でもどうにもならない斜面感覚。どこまで降りていいのやらわからない状況の中、ムーミン谷へ突入。ウェイトポイントを考えるも目標物がいまいちわからないが、大体の場所で上に連絡を入れる。そして次々にドロップ。全員が無事に降りてくる。話を聞くとみんなホワイトアウト酔い。上に向かって滑ってるのか下に向かってるのかもわからなくなるような状況の中無事に降りてこれてまずは一安心。視界が良ければサイコーだねえ。。。そんなムーミン谷もガスの中。
●ムーミン谷~女岳
ホワイトアウトのムーミン谷で次の目的場所である女岳の南斜面へトラバースする事を全員に確認する。目標物がない為地図とコンパスが頼り。しっかりコンパスを当てて方向を決める。女岳の東斜面
をトラバースしながらお釜へ向かう。スノーシューの弱点なのか直登は非常に快適なのだが、巻きながらのトラバースはちょっときつかった。とは言うものの途中はアイゼンの方がいいと思うくらいのアイスな状態。いいところまで行ったら板に履き替えての移動にしようと言う事で、履き替えポイントを探すが結局お釜の脇まできて履き替え。ここのトラバースもたかこは手こずるが、たまに付き添われてなんとか合流「がんばれ!」
この辺りで少しづつ視界が開けてくる。お~~見えたあ!。眼下には下界からは見る事の出来ない秋田駒ケ岳外輪の内側の絶景が広がる。この景色を見る事の許された喜び。山の神様に感謝!!
●女岳滑走
女岳のお釜から板に履き替えガリガリのアイスの上をトラバース。すっかりガスが抜けてクリアになった周りは素敵な斜面
が広がる。そして西側外輪直下の女岳斜面からツリーへ滑り込む。みんなが滑り出す。はこちゃんが先頭、、、と思ったら前ゴケ~~(爆笑)すっかり万歳でウルトラマン状態。。。おいしいネタ提供有り難う(爆)雪は少し重めだがメッチャ気持ちいいパウダー。板も走るし底付きのないメローな斜面
は今日一番のイケナイ脳汁モード。そして秋田駒ケ岳の妖精が住む森へ滑り込む・・・・
●妖精は関西人??
それぞれが気持ち良い思いで滑り込んだ場所は妖精が出てきそうな森。そこには誰も足を踏み入れない駒の住人だけが住む場所。と思っていたらタイチ君に妖精が乗移る・・・
「まいど!ようきたなあ。ええとこやろ、ゆっくりしてってや!」。。。
関西弁だ・・・(笑)
森の番人はどうやら関西弁だったらしい・・・
このあともたまにタイチ君に乗移った番人が出現
今日一番のネタでした(苦笑)
●西側外輪ハイク~水沢分岐
妖精の住む森から西側外輪へは1138地点から取り付いた
西側の外輪は上部から雪屁が続き取り付きは雪屁の切れ間を探してとなる。女岳の滑走前に確認が出来たので問題なかったが1138付近は昨年も雪屁にはなっていなかったので、毎年この場所は雪屁にはならないのだろうと思われる。取り付く場合はこの場所からと言う事か。
外輪に上がると女岳、男岳も綺麗に見えた。そして眼下には田沢湖も。ここから標高差200mほど登り返して水沢の夏道の尾根へ取り付き、あとは下までツリーランである。
さて今回のキーパーソンであるたかこですが、股関節痛と全身疲労で大分大変そうである。雪屁から外輪への取り付きも手こずったようで外林取り付きが14時。それでもあとはちょっと登って滑走だけだし16時30分のスキー場リフト終了までには戻れるだろうと思い、たかこには焦らず頑張ろうと励ましながらのハイクアップとなる。不思議なもので足が疲労できつくなってくるとほとんどの人がヤマヤっぽい歩き方になってくる。一番負担のかからない歩き方がそうなんだなとあらためて実感(笑)
●水沢滑走~スキー場
たかこがへろへろになりながらもなんとか登りきり板に履き替える。ここからは後は滑るだけ。ちょっと一安心。上部のツリーは雪も良い感じ。たまはパイプ状の地形に綺麗に当て込みながら楽しんでいる。かっこいい♪たかこも順調に高度を落していくが下に行くにしたがって雪が重くなりターンが厳しくなってくるといきなりペースが落ちる。ツリーもちょっと密になってきて余計条件が悪くなってくると先頭との差は開くばかり。途中先頭のはこちゃんが心配して無線で聞いてくる。まあゆっくり降りるから大丈夫だよ。ケツ持ちのおいらてきにはここで怪我だけはさせたくないので、とにかく安全に降りてくれる事だけを考えて声をかける。ところがたかこの疲労は予想以上。途中からは自力で立ち上がれないくらいの筋肉疲労。ザックの重量
に慣れてないせいもあってバランスが取りにくいらしい。時間はどんどん押して行く。16時を回った段階で全員が一緒に降りるのを断念。はこちゃんに先に降りてもらって車を下の駐車場へまわしてもらうことにした。そしてこの時点でなんとか日没までには下山したかったので、たかこのザックの荷物半分程をおいらのザックへ移動。そしたらなんとか自力で滑り出せたようなのでちょっと安心。自分のザックをまとめて後を追った。実を言うとオイラの足も結構来てました。やっぱりまだまだテレの腕前が半人前ですね。筋力が最後には余裕がなくなってしまいます。ここからの林道の滑走は前回の早池峰山と同じくいっぱいいっぱい。腿の筋肉いきそうになりながらも最下部の橋へ。前方にはたかこも板を脱いで歩いている。ふ~~なんとか無事終わった。そして最初に降りて待っていたタイチ君が降りてきてくれてたかこの板とザックを持ってあげていた。そして終了
●今日もまた勉強
今回のツアーでは初心者たかこ良くも悪くもポイントだった。昨年はこちゃんと行き続けて地形も、滑る場所も、雪付きも全てをなんとか把握した秋田駒ケ岳。良い思いをする為にオフも勉強してきたがやっぱり行ってみないとわからない事が多い。特に初めてのメンバーと行く時には・・・・。自分の欲求と周りのレベルとのつり合い。今回たかこには辛い思いをさせてしまった。最後まで根性で付いてきてくれたから無事に終了する事が出来たが、本当に動けなくなったら・・・自分達の判断の甘さが事故に繋がりかねない。そういう意味ではルートの選択は自分のものさしだけではダメなんだなと。。。勉強になりました。
でも今回の水沢ルートはオイラは初めて。ツリーのパウダーはサイコーだった。そして一緒に行った仲間にまたまた感謝。次回の駒も楽しませてくれるだろうな。
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