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+++++ 基礎スキー検定の矛盾 +++++


 
近年カービングスキーの登場でバッチテストも10年程前から考えると 全く違うものになってしまった。
何が変わったか??
スキーの基本的な技術とは、とにかく曲がるという技術である。
この曲がる事を主軸に小回りから大回りそしてゲレンデに応じた
滑りをしてもらって評価をするのだが、道具の進化に伴い技術も去る事ながら

道具を使いこなしているか?と言うような感じの検定になりつつあるように思われる。
何かを基準にして検定をする以上どこかにそれなりの滑りの基準がなければならないので、それはそれでイイとは思う。
道具を使いこなした滑りが出来れば、当然それは良い滑りなわけで
検定をする上でも評価の基準になる事は確かである。

ただ僕自身最近の基礎スキーの考え方に疑問を持つ一人であると言う事を最初に言っておくが
検定の評価基準がカービングを主体にしている事が気に入らない。
スキーに限らずスノーボードでもファンスキーでも
そこにある状況に応じた滑りが出来れば
それは評価の基準になってしかるべきである。
検定内容は1級の基準がとにかくカービング要素を重視していて、2級以下はそこまで求めてはいないのだが
検定の基準となるデモ戦、技術戦(基礎スキーのインストラクターの大会)
はアルペンスキー上がりの人達がほとんどをしめているので
そういう競技系の滑りが当たり前のように基礎スキーの技術の評価基準となっている。

確かに圧雪バーンのなかでいかに無駄なく効率良く滑るかと言う事に関して言えば
アルペン系の滑りはその技術としての基準になってもいいと思うが。
ただそれはあくまでも圧雪バーンの中での話であって
新雪や悪雪、とりわけコブ斜面はアルペン系の技術とはかけ離れた技術要素のはずである。

僕が基礎スキーの体質を嫌う理由はそこにある。

SAJのお偉い方はとにかくアルペン系よりの考えを持っているので
例えばモーグルの滑りは曲芸扱いの目で見る方が多かったりする。
僕からすればコブ斜面の究極の滑りの型がモーグルの技術であって
それをアルペン系よりの考えで評価するのはそもそもおかしな話である。

話は反れたが現在の基礎スキーはアルペン系の技術を少し柔らかく繊細にした技術とでも言えばよいだろうか?
それでもポールをくぐり抜けて行くようなアグレッシブな滑りをすると
それは躍動感があるとか言って評価されるし
どんなに基礎畑で頑張ってきても、どんなにフリースタイル系でうまく滑っても
評価する方がアルペン系よりの考えを捨てなければこの風潮はず〜〜っと続くだろうし
特に枠にはめられる事を嫌うフリースタイル系のスキーヤーは
この体質が変わらない限りSAJに賛同する事はないだろう。

スキーはもっと自由なものであると思うのは僕だけだろうか??
カービングスキーを持ってないスキーヤーは検定では当然不利な評価基準である。
もっとオープンな考え方で基礎スキーを考え、そして楽しく枠にはまる事なく
技術とスキースタイルを広めたいと思っている今日この頃である(^^)

2002.冬


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